多焦点眼内レンズに対する私の姿勢

多焦点眼内レンズ

白内障手術に用いる眼内レンズには、実にさまざまな種類があります。

なかでも「多焦点眼内レンズ」は、眼鏡の使用頻度を減らし、より快適な生活を目指す方に選ばれることが多いレンズです。

ですが私は、多焦点眼内レンズを「価格」や「スペック」だけで選ぶものとは考えていません。

目に他の病気があるかどうか、瞳孔の大きさ、角膜のゆがみ、網膜の状態、そして患者さんの生活スタイルや価値観——

それらすべてを丁寧に把握した上で、「その方にとっての最良の選択」を一緒に考えることが大切だと思っています。

どんなに高性能なレンズを選んでも、若い頃の目に戻るわけではありません。

「今ある技術・製品の中で、最も適しているものを選ぶ」ことこそが、私たち医療者の責務と考えています。

ブログやInstagramでは、多焦点眼内レンズの特徴をできる限りわかりやすくお伝えしています。

それは、「自分にとってどんな選択肢があるのか」を患者さん自身にも知っておいていただきたいという思いからです。

医療を知ることには、不安を減らすだけでなく、“知ることそのものの楽しさ”もあると私は考えています。

ただし、最終的な選択は、あくまで検査結果や医療的背景をふまえた上で、

患者さんと私たちとの信頼関係の中で決定されるものと捉えています。

もちろん、知識がまったくない状態でご相談いただいても大丈夫です。

問診・診察・検査を丁寧に行い、その方にとっての最善を、責任を持ってご提案いたします。

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