ファインビジョン〜もう一つの3焦点レンズの選択肢

多焦点眼内レンズ

多焦点レンズシリーズ

「ファインビジョン vs パンオプティクス ― 3焦点眼内レンズ、あなたに合うのはどっち?👁️


📝ファインビジョンの基本情報まとめ

項目内容
製造元BVI社(アメリカ)
焦点距離遠方(∞)、中間(約75cm)、近方(約35cm)
特徴的構造アポダイズド回折型3焦点
ハロー・グレア少なめで夜間の眩しさも抑えやすい
コントラスト感度高めで安定した視界
トーリック対応日本選定療養では非対応(自由診療ではあり)

👓ファインビジョンとは?~パンオプティクスとの共通点と違い~

ファインビジョンは、パンオプティクスと同様に、遠方・中間・近方の3つにピントが合う「3焦点」の多焦点眼内レンズです。

裸眼で幅広い距離が見えることを目指して設計されています。

これまで、選定療養で3焦点を検討する際はアルコン社のパンオプティクスが代表的な選択肢でしたが、2023年より同じく3焦点レンズであるBVI社のファインビジョンも選定療養で使用可能となり、希望に応じて選べる時代となっています。

ファインビジョンは、より近く(約35cm)までピントが合うことが強みで、近くの見え方をより重視する方に向いています。中間距離は約75cmでピントが合うようにできていて、大きめのディスプレイでのPC作業が多い方に向いています。


🔬アポダイズド回折構造とは?

ファインビジョンの大きな特徴のひとつが、「アポダイズド回折構造」です。

レンズの中央と周辺で回折構造が異なり、周辺部では遠くがより見やすいように設計されています

夜間に瞳孔が大きい状態の時は遠方優位になるので、夜間でも良好な視界を得られます。一方、暗所では近くの見え方がやや悪くなってしまうので、暗いところでは手元の明るさを確保する必要があります。

また、この構造により光の配分がより自然に行え、ハロー・グレアの抑制につながっています。

💡高いコントラスト感度

多焦点レンズでは、焦点距離の設定が多くなるに従って、光の利用効率が悪くなり、コントラストが低下しますが、ファインビジョンは「遠方に42%」、「中間に15%」、「近方に29%」と、光のエネルギーロス14%と抑えられています。

👁️‍🗨️ ポイントは以下の3つ:

  • ⭐️ 夜間でも眩しさが少なく、運転や暗い場所での作業が快適
  • ⭐️ 遠・中・近のピント切り替えが自然で、違和感が少ない
  • ⭐️ 光のエネルギーを効率よく使うことで、コントラスト感度が高め

この構造により、日常の見え方に“なじみやすい”レンズ設計となっています。


🔍パンオプティクスとの比較

比較項目ファインビジョンパンオプティクス
焦点距離遠・75cm・35cm遠・60cm・40cm
中間距離デスクトップPC・対面会話ノートPC・料理など
近方距離35cm(より近い)40cm(やや遠い)
ハロー・グレア少なめ通常
コントラスト感度良好良好
トーリック国内選定療養では使用不可使用可能(トーリックあり)

💡パンオプティクスかファインビジョンか。私からの一言。

パンオプティクスは、“オールラウンダー”としての完成度が非常に高く、広くおすすめしやすい3焦点レンズです。
見え方の滑らかさやトーリック対応など、長年の実績もあり安心感があります。

同じ3焦点レンズとして選定療養で使えるため、比較の対象になるのがファインビジョンです。

ファインビジョンは、「近くをしっかり見たい」「PC作業や読書が多い」といった近方視を重視する方にとても適していると感じています。
選定療養で使用できる多焦点レンズで、近くの見え方を重視するものとしては、シナジーがありますが、2025年6月でシナジーの製造終了が予定されている現在、“近方重視の選定療養レンズ”としてはファインビジョンが貴重な選択肢になるでしょう。ただし、選定療養では乱視対応(トーリック)ができない点がネックになるため、
角膜乱視が少ない方におすすめしたいレンズです。

また、ファインビジョンとパンオプティクスでは、中間距離の見え方にも違いがあります。

パンオプティクスは中間60センチ、近くが40センチと焦点距離の間隔が小さく、中間から近方が連続的に見えます。このため、スマホやタブレットなど様々なデジタルデバイスに対応できるレンズと言えます。

ファインビジョンの中間焦点距離は約75cmとやや遠めで、デスクトップPCの使用や、オフィスでの対面会話などに適していると考えられます。

ハローグレアは両方のレンズで自覚しますが、よりファインビジョンの方がハローグレアの少ない設計となっており、ファインビジョンに軍配が上がります。


🧭まとめ:どちらを選ぶべき?

ファインビジョンが向いている方パンオプティクスが向いている方
📖 近方作業が多い(読書・スマホ)🚗 バランスよく見たい方(運転・旅行)
💻 デスクトップPCや会話が多い📱 ノートPCや調理など中近距離が多い
🌙 夜間の眩しさが気になる🔄 中間から近くの焦点の滑らかさを重視
👁️ 角膜乱視が少ない👓 トーリック(乱視矯正)が必要

それぞれに良さがあり、ライフスタイルと目の状態に合った選択が何より大切です。
ぜひ手術前のカウンセリングで、じっくりとご相談ください。


選択が何より大切です。
ぜひ手術前のカウンセリングで、じっくりとご相談ください。


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