多焦点眼内レンズ、どう選ぶ?

多焦点眼内レンズ

白内障手術を控えていて「どんなレンズを選べばいいのか分からない」という方へ。

〜「回折型」か「EDOF」か、最初の分かれ道〜

白内障手術のときに選べる「多焦点眼内レンズ」。

最近では種類がとても増え、「どれを選べばいいの?」というご相談をよくいただきます。

まず最初に考えるべきは、

「回折型」か「EDOF(拡張焦点型)」かという分かれ道です。

ここが、レンズ選びの第一ステップになります。


① 回折型レンズ:遠くも近くも、しっかり見えるオールラウンダー

「遠くから近くまで眼鏡なしで見たい」という方に向いているのが回折型です。

光を複数の焦点に分ける仕組みで、遠方・中間・近方のバランスを取ります。

回折型の中でも特徴の違いがあります。

  • オールマイティ型:遠くから近くまでバランスよく見えるタイプ(例:パンオプティクス、オデッセイ)
  • 近方重視型:手元の見え方をより重視したタイプ(例:ファインビジョン、ジェメトリックのペアリング)

例えば「本をよく読む」「スマホを見る時間が長い」という方は、近方重視型を選ぶことで満足度が高くなることが多いです。

一方で、近くも大切だけど「車の運転」や「スポーツ」も楽しむ方は、オールマイティ型の方が自然な見え方になることもあります。


② EDOF(拡張焦点型)レンズ:自然で快適な見え心地を重視

もう一つの選択肢が、EDOFレンズです。

EDOFは「Extended Depth of Focus(焦点拡張型)」の略で、焦点を“伸ばす”ことで、遠くから中間距離までを自然にカバーします。

近方は50センチ前後までとやや近くは弱いのですが、回折型のような特徴的な回折構造がないのでコントラストが良好(くっきり、はっきりした感じ)で、ハローグレア(不快な光視現象)が少ないのがEDOFレンズの特徴です。

「近くが少し弱いけれど、自然で快適」という位置づけで、代表的なレンズはビビティでした。

最近、新たに登場したのがPureSee(ピュアシー)というレンズです。

コントラストがさらに良好で、夜間の「ハロー・グレア(光のにじみや眩しさ)」が少ないのが特徴です。

「夜の運転が多い」「光のギラつきが苦手」「自然な見え方を重視したい」

そんな方にはEDOFタイプが向いています。


③ どちらがいい?──生活スタイルから考える

多焦点レンズ選びで大切なのは、「自分の生活で何を一番にしたいか」。

たとえば…以下の表のように、ライフスタイル別に向いているレンズの傾向をまとめてみました。

生活スタイル向いているレンズタイプ
デスクワーク中心・読書が多い近方重視型(回折型)
車の運転・屋外活動が多いオールマイティ型(回折型) or EDOF
光の眩しさが気になるEDOF(ビビティ/ピュアシー)
メガネをほとんど使いたくない回折型(ファインビジョン/ジェメトリック)

④ 医師と相談しながら「あなたのベスト✨」を

実際の選択では、角膜や網膜の状態、乱視の有無など、眼の構造的な条件も関わってきます。

検査データやライフスタイルを踏まえ、「あなたにとって一番快適な見え方」を一緒に探していってくださるクリニックや医師との信頼関係を大切に、レンズを選んでくださいね!


🌸まとめ🌸

多焦点眼内レンズの選択は、「どんなふうに見えるようになりたいか」から始まります。

見え方を言葉で表して説明するのは難しいのですが、今のところこのように説明することが多いです。

回折型で遠くから近方までまんべんなく見える毎日を選ぶか、

EDOFで自然な視界の快適さを選ぶか。

表現や説明は私の経験とともに、随時ブラッシュアップしていきますね!

あなたが“どんな未来を見たいか”によって、選ぶレンズも変わります。

その一歩が、これからの“見える未来”を変えていきます。

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